cinemaparadyso
旧作多し、基本ネタばれ。「感覚こそ理屈を支配する」
プロフィール

ベルモンド

Author:ベルモンド
cinemaparadysoへようこそ^^



最新記事



最新コメント



最新トラックバック



カテゴリ



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード



全記事リスト
 50音順リストはここから




現在の閲覧者数:


  原田芳雄氏、森田芳光氏有難うございました。

テーマ:映画 - ジャンル:映画

「キナタイ-マニラ・アンダーグラウンド-」−カンヌ国際映画祭・監督賞受賞作。是非。
野心に溢れた力作だ。
最初観ていると、結婚式を挙げお祝いをする家族(親戚)の幸せそうな様子が映し出される。うん?これは家族の悲喜こもごもの話かな?・・・と少しばかりの肩透かしを食らう。しかし、主人公の青年が会計シートの上に(レストランへの支払いとして)置かれた金をさっと奪い取った時、本作の裏の顔が現れる。突如として
その後、主人公の青年がなにやら危ない仕事の手伝いをしていることが明かされる。麻薬密売かなにかのそれだ。友人に「隊長に会っとけ。」と言われ、かなり軽いノリで車に乗る。そこには隊長やボス、その他の面々が車中の暗がりで不穏な静けさをまといながら座っている。そして発車。車はある場所へと向かっていく・・・

車中でのシーンが全編の3分の1くらいを占める。主人公の不安な心情を観客に共有させるように、長い時間をかけて、乗ってしまった後悔や不安、パニックを映し出す。飾り気のない映像。夜の街。それも車の中からぼやけて見える夜の街と不安な主人公。この映画というよりは悪夢を受け入れる覚悟が、私たちには必要である。

結局のところ、何を伝えようとしているのか。それを読み解くには説明が足りない。それを批判しているわけでは全くない。終始不快で不安な思いに晒され、蝕まれていく。 この映画をどう捉えようか。暴力へのアンチか?貧困層の現実か?人間という生き物の業か?安易に足を踏み入れるな?現実とはこういうものだ。か?・・・心に張り付いて離れない。カンヌお墨付きの問題作だ

監督:ブリランテ・メンドーサ
出演:ココ・マルティン フリオ・ディアス マリア・イサベル・ロペス

テーマ:映画 - ジャンル:映画

「さすらいの女神(ディーバ)たち」−人間への信頼と尊敬に満ち溢れる傑作。
解説:「潜水服は蝶の夢を見る」や「007/慰めの報酬」などで知られるフランスを代表する俳優の一人、マチュー・アマルリックが監督・主演を務め、みごとカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞に輝いた人生コメディ。アメリカのショー・ガールたちを引き連れ、祖国フランスでの巡業公演に再起を期す落ち目のプロデューサーを主人公に、彼とショー・ガールたちが華やかなステージの裏で繰り広げるほろ苦くも心温まる人生模様を優しい眼差しで綴る。by allcinema

マチュー・アマルリックはあんな顔してやっぱり天才だ。
先日WOWOWで彼の短編『インタビュー』が放映されていた。エヴァ・ガードナーにインタビューを求めるしがない記者(?)を主人公に、自ら主演もした。モノクロ映像で地続きに描かれていくしがない記者(それもハリウッド映画を寵愛するマニアな男)のどうしようもなさが切なく響いてよかった。とかく映像のセンスがいい。

本作も、地続きなかんじ、要するにチャプターのようにシークエンスを割るようなことはせず、ひたすらに「女神たち」とマネージャーの逃避行を描出していく。そこには現実への厳しい眼差しや、相反するようにやわらかく優しいアマルリックの人柄が滲み出ている。それはどんな境遇にいても、どんな職業に就こうとも、その人がその人たちは自分の使命に対して一生懸命で、常に頑張っている=努力しているということへの讃美で、敬意で、感謝で、同情なのである。
この話でいうなら、うだつの上がらないアメリカ人ショーガールたちのことである。アマルリックはやはり主人公のフランス人マネージャー役で彼女たちを引き連れながら、ショーでの成功を夢見ている。しかし現実は・・・

この悲哀に溢れた物語も、彼のさり気ないユーモアのセンスで観易く、愛着の湧きやすい親近感のあるお話として観ることができる。愛すべきダメダメ男×女の悲哀は、切なく痛く、しかしそれよりもじんわりと優しく心に沁みて離れない。温かな映画だ。。
撮影にはクリストフ・ボーカルヌを起用。『ミスター・ノーバディ』、『やわらかい手』などを手掛けている。照明(光)のセンスも然ることながら、ドキュメンタルな撮影スタイルも粋だ。 驚くべきは、ショーガールたちが演技未経験という事実!(?) 本当ならアマルリックの演出力にまたもや感服である。

 ・カンヌ国際映画祭・監督賞受賞作

さすらいの女神たち

監督:マチュー・アマルリック
製作:レティシア・ゴンザレス ヤエル・フォギエル
脚本:マチュー・アマルリック ラファエル・ヴァルブリュンヌ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

『灼熱の魂』−心震える真実。悲劇や平和を知らない若者へ・・・
解説:カナダに在住するレバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの同名戯曲を「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化した衝撃のヒューマン・ミステリー。亡くなった母の遺言に従い、父と兄を探す旅に出た双子の姉弟が、やがて自分たちのルーツでもある激しい宗教対立に翻弄され続けた母の数奇にして壮絶な運命と向き合っていく姿を、現在と過去それぞれのエピソードを通して力強い筆致で描き出していく。主演は「愛より強い旅」「パラダイス・ナウ」のルブナ・アザバル。2010年度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。by allcinema

よくぞこんな圧倒的なストーリーを考えられるものだ。戯曲(舞台)の映画化ということも驚きだが、映画という映像メディアによって、比類なき迫力を持った映画作品ともなった。

演出、演技、本、映像、編集...なにもかもが超一級である。あんな、そんな、こんな演出や演技等をどうしたら為せるのか。。映画という不可思議なマジックに幸福に翻弄され続ける。

 「1+1=1なんてことはあるのか?」
という台詞が発せられた時、私たちは映画が語る通りに「沈黙する」。信じ難い運命のいたずらによって引き起こされた真実は、戦争や紛争などの<暴力行為>の究極の顛末を導き出す。ここまでおぞましい出来事が起こり得るのか?・・・
このいわゆるどんでん返しが、ただのどんでん返しではなく、母親の愛情の深さを証明する過程を伴いながらそれへと向かっていくところが至極美しいのである。何故母親は「妙な」遺言を残したのか?それに対する答えをゆっくり、じっとりと提示・明示していきながら物語は劇的に収束する。

すべての俳優の演技がすばらしい。文句の付けようがない。なんて映画もまた非常に稀だ。
演出や編集にも全く無駄がなく、時に大胆なカットを織り交ぜながらも、終始ストーリーを語ることに力を注いでいる。監督自身の個性をあえて消す、見事な語りである。(むろん脚本も)

『オールド・ボーイ』や『ユージュアル・サスペクツ』を優に超える驚嘆のラスト。後者のラストなんて陳腐に思えてしまうほど、この映画のラストを含めた全体としての迫力は近年屈指である。私の文章なんて無意味でくだらない。是非!

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:リュック・デリー キム・マクロー
原作戯曲:ワジディ・ムアワッド
脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影:アンドレ・トュルパン
美術:アンドレ=リン・ボパルラン
衣装:ソフィー・ルフェーヴル
編集:モニック・ダルトンヌ
音楽:グレゴワール・エッツェル

出演:ルブナ・アザバル メリッサ・デゾルモー=プーラン マキシム・ゴーデット レミー・ジラール
  灼熱の魂2←HPより借用

テーマ:映画 - ジャンル:映画

『テイク・シェルター』−現代映画≒現代社会の歪みを突き詰める。
解説:竜巻の恐怖に囚われ、周囲の困惑をよそに愛する家族を守るシェルター作りに取り憑かれていく男の姿を緊張感溢れる筆致で描く異色の心理スリラー。主演は「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」のマイケル・シャノン、共演に「ツリー・オブ・ライフ」のジェシカ・チャステイン。監督は本作が長編2作目の新鋭ジェフ・ニコルズ。by allcinema

現代病理映画の金字塔的作品。そう成り得る傑作だった・・・。

観たくて観たくてしょうがなかった作品。やっと観られた。ただ、声を大にして言いたいことがある。
デジタル上映について。やはりデジタル上映は、どう考えたってフィルム上映との差異が大きい。その例は数多あるが、画面が平坦。映像の深みや映画独自の質感に欠ける。色が(悪い意味で)鮮やかで明瞭過ぎる。映像と音声が解離している。それもかなり目につく、耳に障る・・・
ミニシアターのデジタル上映化をどう考えるか。存続を考えると諦めるしかない気もするが、そもそも日本人の頭が弱いせいであり、映画(芸術)に対する造詣が皆無のクソアホどもが一杯である所為だ。 ミニシアターの存続というより<映画>そのものの存続について「思考錯誤」を繰り返すべきだと記しておく。
テイク・シェルター2
強迫観念と救済、希望についてのドラマである。
アメリカ映画は、現代社会(現代のアメリカ社会)の捉え難い闇や病理を暗喩的にアイロニカルに、諦観をこめて描いてきた。『ノーカントリー』、『ハート・ロッカー』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『フィクサー』などの病理映画が傑作・名作として多く世に放たれている。最近の『シェイム』もその系譜だ。無論本作もである。
 強迫観念に囚われた主人公の絶望と救済。待たれる希望・・・。そこには常に歪んだ認知があり、観客はその異様さや異常さに打ちのめされ、そしてそれが自分の世界の「自分自身」の出来事であると実感した時、無常感に苛まれ悩むのだ。 いつまでも出ない答え。さらに混迷と混沌を深める此の社会と自身の精神世界。 どうすればいいのだろう?どうしてこの場所から脱出できよう?と、考えをめぐらせていること自体がまた強迫観念の賜物であり、この文章を読むあなたもまた、強迫観念の餌食となっているのである。ププ

マイケル・シャノンの演技がすばらしい。『レボリューショナリーロード/燃え尽きるまで』で見せた病理を更に深化、鋭敏化させて観客の心を鷲掴みにする。デイ=ルイスのプレインビューを彷彿とさせるような破壊的な一人芝居シーンの迫力も然ることながら、蝕まれ、ひどく疲弊しながらもなんとか生きようともがく姿には深い感動を。。要するに面目躍如である。 ジェシカ・チャステインはまたもや「母性」としてこの映画をがっしりと支え、映画を引き締めていた。彼女はこの一年でキャリアハイをすべて使い果たしたのでは?・・・そう心配したいほどに彼女の躍進には目を見張る。なぜ突然に?
 映画という虚像のなかに、虚実入り乱れる魂の過酷な旅。訪れるラストを希望と捉えるか否かなどを優に超えた、<真実>への透徹な眼差しに胸打たれる。深遠。

監督:ジェフ・ニコルズ
製作:タイラー・デヴィッドソン ソフィア・リン
製作総指揮:サラ・グリーン ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ コリン・ストラウス グレッグ・ストラウス リチャード・ロスフェルド クリス・ペロー クリストス・V・コンスタンタコプーロ

脚本:ジェフ・ニコルズ
撮影:アダム・ストーン
プロダクションデザイン:チャド・キース
衣装デザイン:カレン・マレッキー
編集:パーク・グレッグ
音楽:デヴィッド・ウィンゴ
出演:マイケル・シャノン ジェシカ・チャステイン

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画